●自分に合う異性を嗅ぎ分ける
実験の結果、自分の好きな匂いのするTシャツは、自分と離れたDNAのタイプを持つ男子学生だということがわかったんだよ。好きな匂いは特定の男子に集中するのではなくて、それぞれ免疫特性が離れていると考えられるDNAを持つ別々の男子学生の匂いが心地よかったんだ。
これは、女子学生が男子学生のDNAを匂いで選別していたということなんだよ。実際、このDNAタイプの相性によって、妊娠のしやすさ、妊娠後の流産のしやすさ、できる子供の免疫力の高さ、離婚率の高さも違うらしいんだ。
以下は、専門用語がたくさん出てくるので、次のページまでさらっと読んでね。覚えなくていいからね。
嗅ぎ分けていたDNAのタイプは、詳しくいうとMHC(エムエッチシー。主要組織適合性遺伝子複合体。Major histocompatibility complexの略)のDNAのことだったんだ。ヒトの場合だけ特別にHLA(エイチエルエー。ヒト白血球抗原。human leukocyte antigenの略)とも呼ぶんだ。HLAは以前の特集「血液型の真実」でもでてきたよね。
赤血球の血液型であるABO式血液型は、赤血球の糖鎖だけでなく色々な臓器の糖鎖の違いでもあったよね。同じように、HLAも白血球だけじゃなくてほぼすべての細胞の表面にあるタンパク質抗原のタイプを表しているんだよ。
免疫細胞は、このMHC(=HLA)で、自分の身体か外部の異物か判断して攻撃するかどうか決めているんだ。すなわちMHC(=HLA)は自己、非自己の認識票みたいなもんだね。
MHC(=HLA)は第六染色体にある6つの遺伝子座によって決まるんだ。その型は、A、B、C、DP、DQ、DRの6つの遺伝子にそれぞれ数種類〜百数十種類あって、バリエーションは“数千万通り”になるんだよ。
わかりやすい例でいうと、よくテレビでドナー登録を呼びかけているあれがこのMHC(=HLA)のタイプを登録してくださいといってるんだよ。日本人では、MHCが一致するのは2万〜3万人に1人の確率なんだ。
MHCが「合う、合わない」で骨髄移植や臓器移植が「出来る、出来ない」に分かれるんだけど、結婚して子供を作るなら、なるべくMHCが離れている方が有利なんだ。
←前のページ 1 2 3 4 5 次のページ→